梅雨の空気の中に
ここ数日、太陽の存在を感じない。
あるのは、湿った、息を吸うのも難儀な重たい空気。もう間もなく意識を失いそうに、フラフラと飛ぶ小さな虫。アスファルトには、夜空に尾を引く流れ星…に、なり損ねたナメクジの、這いずり回った跡。
今日は何故か私の目が、無意識に陰鬱なものばかりを探し回る。
過ごしづらい時間の中でも、出来るだけ前向きに、明るい美しい活力に満ちたものを目指し、生きている私も確かにいる。
が、こんな空気の中で、わざわざ無理して弾けるような笑顔で過ごす必要も無い。季節の感じ方過ごし方に、決まり事などない。
どんなに感情のコントロールが上手くなろうとも、鬱々とした時期をあるがままに受け止める感情の幅を、私はいつも持っておきたい。
ここまで書いて、ああそうか、これが書きたかったんだ…と腑に落ちた。
書かないと分からないものだな。
湿った重たい空気の中で、階段を駆け上がった時、前を上る人に「空気が重たくて、息が上手く吸えないな…」と伝えたとき、「そうだな」と返ってきた。
梅雨の空気の中で、梅雨の空気の中にいることをそのまま表現する。
そういう自分も大切に出来ているとわかったことが、今日一番の発見だった。
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