「本当の私」とは。

結論から言うと、そんなものは無いと、私は思っている。

でも、「本当の私を知って欲しい」「本当の私で生きていたい」とか、挙句の果てには「本当の私って何?」などとずっと悩んでいる人がいる。

そもそも、一人の人であるからと言って、「私ってこういう人なんです」って決まっていないといけないのか。決まっていると安心するのか?

そんなのはかなり窮屈じゃね?

一人の人の中にも、様々な要素が詰まっている。様々な側面がある。だから言ってみれば、様々な側面の全てが本当の私。

様々な側面から手が生えていて、今対峙している相手と、どの手を繋ぐか…。それが、相手とどんな関係性を築きたいかで、選ぶことのできる選択肢だ。

「これは八方美人という事じゃないのか」

そう思う人がいるかもしれないが、そうじゃない。

自分が「自分はこういう人」ってカテゴライズしていても、相手にそう思わせることは出来ないでしょ?それはわがまま。

だから、柔軟に、相手と築きたい関係性をイメージして、こうでありたい自分の側面で手を繋げばいい。相手は、相手の数ある側面から、繋ぐ手を自分で選ぶ。様々な側面がふえたり、繋ぐ手が太くなったり細くなったり。

そういうものなんじゃないかと。

それが自然な、「自分らしさ」を形成していく過程なのではないかと。

だってまだ、今のあなたは完成形じゃないでしょ?

まだ、長い人生の過程にいる。成長したいか、したくないか、は置いといて、変化の過程であることには違いない。ということは、「本当の私」にこだわる時期でもないということ。

無いはずの「本当の私」にこだわり人生を狭めるのではなく、「自分らしさ」の幅を拡げていくのが、生きやすさに繋がると思う。

必要なのは、己のカテゴライズやラベリングではない。

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