目を閉じて、君の脳に絵を描いて。

車で細い路地をぬけ、大通りを横切り、田んぼの真ん中を突っきる、農道に入る。

毎朝、私はこの道を通って職場に行く。

「通勤」毎日同じ事を繰り返すということは、単調でつまらない事のように語られる近年だけど、実は季節の移ろいや世の中の変化を敏感に感じ取るきっかけになると、私は思っている。

今朝は私の通勤路にツバメが帰ってきた。

スズメの飛び方とは違う黒い影がフロントガラスの前を横切ったので、確認するとやっぱりツバメなのだ。

田んぼ水が張られ、畔に止まった軽トラからはキャップを被ったおじいちゃんが降りてくる。

おばあちゃんちがその横で、田植えする苗をチェック。

水を張った田んぼの隣には、もう青々と茂った麦畑。

休耕田には菜の花やレンゲ。

車の窓を締め切っていると、どうも暑くなってきて窓を少し開けると、田舎の少し湿った空気に草の匂いが混じっている。

ハンドルを握りながら、水筒の水を一口飲む。

この農道を抜けると、いつものセブン。少し音楽のボリュームを上げ、青空を見上げる。よし。確実に春は来ている。



ほら、目を閉じて。君の脳に絵を描いて。




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