カメラを始めていなければ

カメラを始めていなければ、

夕暮れ時のクソ忙しい時間帯に、何十分も空を眺めているなんてしなかったろう。

3月に写真を撮りたいと思い立って、縁あってカメラを手に入れ、絵筆や鉛筆に加えて、私の頭と誰かを繋いでくれるものがまたひとつ。

感情も、夕焼け空を彩るこの光も、全て電磁波で、私が見て感じている電磁波を誰かに見せて伝えるには物と技術が要る。

生きていくにはすごく余計なまわり道を、どうしても私は選んでしまう。

スマートに計画的に、淡々と生きていくことがどうもできない性格らしい。

誰かのために伝えたかったはずのことを、誰のためでもない自分のためだけの時間にして、何回もまわり道して過ごして行くんだと思う。これから先も。

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