「じゃないといけない」話

私は大学の時、金属工芸(鋳造)研究室にいました。

作品を作る時、先生から「金属、鋳造だからこそ作れるものを」と言われたことがありました。

例えば、陶器で作ったものは、鎖のような輪と輪が繋がった形は作れません。金属だとそれが出来ます。そして、陶器は落としたら割れる。金属は割れはしない。

そういう、特性を生かした形を……ということですね。

それ以来、作品と向き合う度に考えています。

自分の作品も、他人の作品も。
映画も、音楽も、服でも。

「なぜ作者はこの表現手法や材料を使ったのか。」
「ねらいは何か」

そうすると、コンセプトや作者の込められた思いが浮かび上がってくるものなのです。

しかしながら、最近はテクノロジーが表現手法の壁を超えていく。

実写なのかアニメーションかも分からない映画。ピアノの音に似せた電子音。

何かを表現するときに「それ」を使う意味は、今やなくなりつつあります。

あなたはどちらを大切にするでしょうか。

「それ」でないと表現出来ないもの。
表現したいものに自在に変化する「それ」。

わたしは……





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